AAA 不動産税金ガイド

取得・保有・譲渡時の不動産の税金を徹底解説

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column:賃貸経営は個人事業か法人か?

column:賃貸経営は個人事業か法人か?

賃貸経営の法人化は、賃貸収入から生じる所得の節税の観点から議論され、賃貸収入が大きくなってくると検討されることが多いように思います。また、昨今では相続対策として資産管理会社を設立する動きも活発であり、相続対策という観点から法人化が検討されるようになってきました。
実際には、賃貸経営の法人化を議論する場合には、不動産の取得から保有中・譲渡までの影響を考慮して検討する必要がありますが、昨今の税制の方向性からみると、収益不動産を個人として保有する合理性が乏しくなってきました。

不動産の取得の際の税制比較
不動産の取得に影響する税金は、不動産取得税、登録免許税、印紙税、消費税及び地方消費税ですが、不動産の原始取得によって発生する税金に関しては、個人か法人かによって差異があるわけではありません。
しかしながら、不動産保有法人の株式を売買することにより間接的に対象不動産を取得する場合には、不動産取得税や登録免許税等の不動産流通税は発生しません。
また、個人と法人に関わりなく、不動産を取得する際の消費税の扱いには有利不利がありますので、取得主体の消費税法上の属性を適切に把握のうえ、税務判断を行っていく必要があります。

不動産の保有の際の税制比較
不動産の保有の際の個人と法人の税制の違いは、課税最低限と累進課税です。収益不動産から生じる所得が多額でないのであれば、個人のほうが税率が低い場合があり、また個人の場合には基礎控除や扶養控除などの各種控除によって一定金額まで税金がかからない場合があります。また、法人と異なり所得がなくても発生する均等割等の税金の追加負担が少なくて済む場合もあります。
一方で、個人の場合は累進課税ですので、所得金額が多額に発生する場合には逆に法人のほうが有利ということになります。

不動産の譲渡の際の税制比較
従来は、不動産の売却により利益が生じる場合には個人のほうが有利、損失が生じる場合には法人が有利であると言われてきました。
不動産の売却により利益が生じる場合には、個人の場合には分離長期で20.315%の税率であり、法人税の実効税率との対比において個人で売却するほうが有利であると言われてきました。しかし、法人は国際競争力の確保という観点から減税方向にあるため、このような税率格差は縮小されてきており、どちらが有利とも言えなくなってきました。
一方で、不動産の売却により損失が生じる場合には、個人の場合には他の不動産の譲渡所得としか損益通算できないため、所得区分のない営利法人との対比において税制上は不利であると言われています。

不動産流通税からみた個人と法人の比較
不動産の取得の際には不動産取得税、登録免許税等の流通税が発生します。しかし、不動産保有法人の株式の売買を通じて間接的に対象不動産を取得するような場合には、流通税はかかってきません。

相続税からみた個人と法人の比較
相続税からみた場合には、個人で保有する場合には小規模宅地等の特例の適用がある範囲内で収益不動産を保有する場合には、個人が有利となります。
一方で、不動産を法人を通じて間接的に保有する場合には、保有する会社の非上場株式が相続財産ということになり、類似業種比準株価が純資産価格より低い場合には法人所有が相続税法上有利となります。

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