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2.役員報酬をいくら支給できるのか、事前にシミュレーションしましょう

2.役員報酬は、しっかりと事業計画書を作成し適正金額を支給しよう

会社を設立する際に、社長である自分や役員にいくら給与(役員報酬)を支給するかは重要なポイントです。役員報酬は会社の利益と役員個人の収入が密接に結びついており、利益が上がった際に役員報酬を増やして法人税の負担を回避する等、恣意的に利益操作ができてしまいます。ここでは複雑な役員報酬の仕組みについて解説します。

2-1.役員報酬の損金算入条件

利益操作等の課税逃れを阻止するために、原則、役員報酬の改定は年に1回、決算日後3ヵ月以内でなければできないとされています。さらには、役員報酬の損金算入(経費として認めること)に一定の条件を設けており、以下の3種類があります。

①定期同額給与:1か月以下の一定期間ごとに支給され、事業年度内は同額が支給される給与
②事前確定届出給与:事前に税務署に届出書を提出することで認められる役員賞与
③利益連動給与:利益に連動した報酬(大企業のみ)

設立したばかりの法人は、①の定期同額給与を採用するケースが圧倒的に多くなります。そのためここでは定期同額給与について解説します。

2-2.定期同額給与の仕組み

定期同額給与とは、たとえば、「毎月10万円を役員報酬として定額支給する」と定めていた3月決算の会社が、当期の業績向上が見込めたため6月の株主総会で役員報酬を月20万円に改定した場合、以後翌年の3月までの9か月間は毎月20万円に固定されます。設立したばかりの法人は、設立後3カ月経過したら、次の決算まで役員報酬を変更することができず、同額を支給し続けることになります。一般に役員報酬は、法人税や所得税(源泉所得税)、社会保険料に影響を及ぼし、誤った設定を行うと以下のような事態がおこります。

 ケース1:役員報酬が利益に対して少なすぎた場合

役員報酬が当期利益に対して少なすぎた場合、個人の所得税(源泉所得税)は少なく抑えることができますが、法人の法人税を多く支払うことになります。

 ケース2:役員報酬が利益を超えてしまった場合

役員報酬が当期利益の額を超えていた場合、法人税は抑えることができますが、会社が赤字になってしまいます。さらには役員報酬が未払い役員報酬となり、個人の所得税(源泉所得税)や社会保険料がかかります。

 

2-3.入念なシミュレーションに基づき決定しよう

このように役員報酬の設定金額を誤ると、税金面で様々な不具合が生じます。また役員報酬は、会社にとって大きな出費となりますので、会社の損益計画や資金繰りにも多大な影響を及ぼします。設立前に事業計画や損益計画、さらには資金繰りに関する入念なシミュレーションを行い、利益の見通しをしっかりと立てたうえで、適正金額を設定するようにしましょう。

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