6 遺産分割協議
6-1 遺産分割協議
亡くなられた方が遺言を残さなかった場合や、遺言とは別の方法で財産を分けたい場合、相続人全員で財産の分け方を決めます。これを遺産分割協議といいます。遺産分割協議は相続人全員の参加が必須条件であり、未成年者や判断能力に欠ける成人、行方不明者など、参加が不可能な場合は、成年後見人、不在者財産管理人等を選任し、裁判所に申し立てます。相続人全員の合意が得られていない遺産分割協議は無効となります。ただし、相続放棄したものは遺産分割協議に参加できません。相続財産は、相続人全員の合意があれば自由に分割できます。法定相続分や、遺言の指定とは異なる範囲・方法で分けたい場合も、相続人全員の合意があれば可能となります。一般には、現物分割(財産毎に相続人を定める)、代償分割(一人がすべて相続し、他の相続人に代償金を支払う)、換価分割(相続財産を現金化して分ける)、共有分割(相続財産を法定相続分や遺産分割協議に基づき共有する)などの方法があります。ただし、遺言で遺贈(相続人以外の人に財産を贈ること)の指定があった場合は、その遺贈分を除いた財産のみ、異なる分け方が可能となります。
6-2 遺産分割協議書の作成
遺産分割協議により相続人全員の合意が成立したら、後日の争いを防止するため、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書には合意内容を記載し、全相続人が実印で署名捺印して印鑑証明書を添付します。相続人分作成し、各自が原本を保管します。遺産分割協議書は、後日の名義変更等の手続きでも必要になりますので、遺言がない場合や遺言とは異なる方法で遺産分割をする場合は必ず作成し、大切に保管しましょう。
6-3 遺産分割調停
遺産分割協議がまとまらず成立しない場合、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。これを遺産分割調停といいます。遺産分割調停では、裁判官と調停委員が間に入り、合意を目指して話し合いをすすめていきます。遺産分割調停の申し立てを行うには、相続人もしくは包括受遺者が遺産分割調停申立書を作成し提出する必要があります。提出先は相手方の一人の住所地の家庭裁判所または当事者が合意した家庭裁判所です。提出には以下の書類が必要になります。
・遺産分割調停申立書
・当時者目録
・遺産目録
・被相続人のすべての戸籍・除籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の住民票
・収入印紙および郵便切手等
(詳細は各家庭裁判所の窓口やホームページなどで確認してください。)
遺産分割調停でも話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の判断により自動的に遺産分割審判に移行します。遺産分割審判では、裁判官が証拠調べや鑑定等を行い、各相続人の意見も鑑みたうえで審判を下します。審判結果に不服がある場合は、不服の申し立てを行い高等裁判所で争うことになります。相続税申告が必要な場合、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に行わなければなりません。くれぐれも裁判の長期化には注意しましょう。
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